『運動無しで食事制限』と『運動ありで食事制限無し』はどちらが健康寿命を延ばすのか

「いつまでも若々しく、健康で長生きしたい」
これは誰もが願う事であり、
その為に、
運動をしたり
食事制限をしたり
あるいは両方実施したりと
日々何かしらに取り組んでいるはずです。
・・・よね?

そのための具体的なアプローチとして、
昔から
「腹八分目(食事制限)」

「適度な運動」が推奨されてきました。

では、
もし究極の選択として以下の2つを比べた場合、
どちらが私たちの寿命や健康に良い影響があるのか。

★食事制限するけど動かない

★食事制限しないけど運動する

最新の研究エビデンスが導き出した結論。
それを一言でまとめると、以下のようになります。

■結論

食事制限なしで運動する

★「運動なし・食事制限」は、
細胞の寿命は延びるが、
筋肉や骨がスカスカになり健康寿命は下がる。

★「運動あり・食事制限無し」は、
病気を防ぎ「健康寿命」は劇的に上がる
が、
「最大寿命」が延びる訳では無い。
※一般的な食生活でカロリー制限を行わない場合

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■知っておきたい寿命の「2つの壁」

前提として、
老化には大きく分けて2つの種類があります。

★一次老化
遺伝子にプログラムされた、
細胞レベルでの避けられない経年劣化。
最大寿命の事!

★二次老化
食べ過ぎや運動不足などの
生活習慣によって引き起こされる病気
(心血管疾患、糖尿病、がん等)による衰え。
健康寿命の事!

この一次老化と二次老化のどちらにアプローチするかで、
「少食」と「運動」の効果は全く異なる結果になります。


■「運動なし・食事制限」の光と致命的な影

有名なラット研究では、
「食事を制限されてあまり動かなかったラット」が、
平均寿命だけでなく最大寿命そのものを顕著に延ばした
ことが確認されました。

人間を対象とした研究でも、
長期的なカロリー制限を行うと深部体温や
甲状腺ホルモンが低下することが分かっています。
つまり、入ってくるエネルギーが少ないと、
体は無駄な消費を抑える省エネ・休眠モードに入り、
細胞の劣化(一次老化)が抑制される事があります。
(ホメオスタシス)


■運動無しの絶対的なリスク

細胞だけ見ると良い動きですが、
現実の人間社会において、
少食で運動無しは、
筋肉量の減少(サルコペニア)
と骨密度の低下にリスクがあります。

マウスではありますが、
長期間の研究によると、
極端な食事制限によって
体重と体力を維持できなくなった個体は、
逆に免疫機能が崩壊し短命に終わることが示されました。
人間が高齢期に、少食で動かない生活を続けると、
細胞の寿命が延びる恩恵を受ける前に、
転倒や骨折、寝たきり生活に近づきます。
結果的に健康寿命を縮めてしまいます。

Study probes how eating less can extend lifespanResearchers at The Jackson Laboratory conduct pivotal study iwww.jax.org


■「運動あり・食事制限無し」の圧倒的なメリットと限界

一方で、
「制限無しでたくさん運動したラット」
はどうだったでしょうか?

がんや心疾患などの病気を強力に防ぎ、
「平均寿命」を大きく延ばしました。
体脂肪も低く、
健康的な状態を保っていました。

ただ!
生物としての限界のある最大寿命を延ばすことはできませんでした。
たくさん食べてたくさんエネルギーを消費する生活は、
細胞レベルでのエンジンの回転数(代謝)が高いため、
細胞の根本的な経年劣化(一時老化)自体を
遅らせる事は無理なようです。

(※運動以外でも同じ事が言えるんだろうな)

◎食事が自由とは言っても限度はある

ここで、
運動あり・食事自由の生活は、
最大寿命を「低下(短縮)」させるのでは?
と真っ先に考えました。

答えは、『場合による』ですね。
当然ですが、いくら運動頻度が高くても
毎日加工肉ばかり食べていたら
そりゃ発がんリスクなどは上がりますし。。。

ここでの自由食は、
極端に質の悪い物(超加工食品)を
自由に食べるという意味ではなく、
一般的レベルの話です。

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■4つのグループで比較

★運動あり/食事制限
★運動あり/食事制限無し
★運動無し/食事制限
★運動無し/食事制限無し

この場合、どの組み合わせが
最も健康的なのか。

答えはこのデータから⇩

Physical activity, diet quality and all-cause cardiovascular disease and cancer mortality: a prospective study of 346 627 UK Biobank participants – PubMedAdhering to both quality diet and sufficient physical activitpubmed.ncbi.nlm.nih.gov

Physical activity, diet quality and all-cause cardiovascular disease and cancer mortality: a prospective study of 346 627 UK Biobank participants

British Journal of Sports Medicine (2022年)

イギリスの「UK Biobank」の約35万人を対象とした大規模な前向き研究!

◎結果

1位:運動あり/質の高い食事
2位:運動あり/質の低い食事
3位:運動無し/質の高い食事
4位:運動無し/質の低い食事

ちょーシンプルにまとめると、
1位:運動も食事も良い
2位:運動だけ頑張る
3位:食事だけ頑張る
4位:どっちもやらない

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だよね!
って意見と、
「食事より運動が大事なんだ!」
と驚かれる方も多そうな結果ですね。

◎解説

第1位:運動あり/質の高い食事
全死亡リスクを最も大きく引き下げる理想的な組み合わせです。
両方の良い習慣を維持しているグループは、
両方悪いグループと比較して死亡リスクが最も低く
(研究データにより約22%〜30%の低減)、
心血管疾患やがんのリスクを最適に予防できることが示されています。

第2位:運動あり/ 質の低い食事
食事の質が悪くても、
十分な運動をしていることで、
両方悪いグループに比べると死亡リスクを有意に低下させる
(約17%〜18%の低減)ことができます。
ここから分かるのは、
「運動による健康への保護効果は非常に強力である」
ということです。
ただし、
第1位の食事も運動も良いグループには及ばないため、
これが「運動をしていても悪い食事のデメリットを完全には帳消しにできない」という結論の根拠になっています。

第3位:運動無し/質の高い食事
運動習慣がなくても、
質の高い食事を摂っていれば、
両方悪いグループに比べて死亡リスクはある程度低下
(約7%〜13%の低減)します。
ただし、疫学データの傾向として、
リスク低減の幅は、
第2位(運動単独の恩恵)には一歩及ばないケースが多いことが示唆されています。

第4位:運動無し/質の低い食事
言うまでも無い。
身体活動が少なく、
かつ食事の質も低い
(超加工食品や赤身肉・加工肉などを制限なく自由に食べる)グループです。
このグループが最も心血管疾患やがんの発症率が高く、すべての基準(ワースト1位)となります。

まとめ
単独の介入としては
「運動によるリスク低減効果」のほうが
「食事単独の改善」よりも
やや強力に働く傾向があるという点です。
しかし、
それぞれの効果は独立して上乗せされるため、
健康寿命を最大化するためには
運動と食事の質の両輪を揃えることが唯一の最適解となります。


運動は筋肉からマイオカインと
呼ばれる若返り物質を分泌させます。
(このマイオカインが大腸がんのリスクを下げるという話もあります)

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■まとめ:結局ハイブリッド戦略

ここまでの結論をまとめると、
以下のようになります。

★限界まで生き永らえること(最大寿命の延長)だけが目的なら、「運動なし・カロリー制限」が理論上は優位だが、寝たきりリスクが跳ね上がる。

★健康寿命を延ばす事が目的なら、「運動あり・食事自由」が圧倒的に優位だが、寿命の限界突破はできない。

この結果が分かっていて、
「はい。運動だけして食事テキトーにします」
とはならないですよね?

◎両者の良い所取りハイブリッド戦略

★腹八分目(中等度のカロリー制限)や
時間制限食を取り入れ、
暴飲暴食を防いで細胞の老化をマイルドに遅らせる。

★筋肉を落とさない為に、十分なタンパク質を摂取する。

★質の高い筋力トレーニングと有酸素運動を習慣化し、
骨と筋肉を強靭に保ち、病気(二次老化)を防ぐ。

『食べすぎず、タンパク質をしっかり摂り、筋トレをする』
一見当たり前に聞こえるこの基本こそが、
細胞レベルのミクロな長寿メカニズムと、
筋肉や骨といったマクロな機能維持を両立させる、
現代でも最強の対策ですね!


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