「忙しくて野菜が摂れないから野菜ジュースで補ってます」
そんな方、多いのではないでしょうか?
でも実際、
「野菜ジュースって体に良いの?」
「本当に野菜の代わりになるの?」
と疑問に思ったことはありませんか?
今回は、
最新の信頼できる研究(エビデンス)をもとに、
野菜ジュースのメリット・デメリットを
わかりやすく解説します。
■結論から言うと…
野菜ジュースは“補助的”にはアリ。でも、野菜の完全な代替にはならない!
その理由を、科学的根拠とともに説明していきます。
■ 野菜ジュースのメリット(エビデンスあり)
① ビタミン・ミネラルはちゃんと摂れる
◎ビタミンCやカリウム、
β-カロテンなどの栄養素は、加工後もある程度残る。
◎血圧の改善や抗酸化作用(老化予防)が期待されるという研究も。
② 食事にプラスする形なら有効
◎忙しい朝など、どうしても野菜が不足しがちな場面で活躍。
◎「全く摂らないよりは飲んだ方がいい」という位置づけ。
■こんな研究も。。。
これは野菜ジュースではなく
フルーツジュースでの研究です。
※15本のレビュー
(51件の主要メタアナリシス、ドーズレスポンス解析6件、サブ解析87件)が対象となり、
対象範囲は1日50〜1,200 mL、
短期~長期(数時間~数年)
に及ぶ研究でした。
◎主な結果まとめ
【効果あり(全体の約20%の分析)】
- 血圧改善:4件のメタ解析で有益な効果が報告。
- 血管機能の向上:2件、血管拡張機能に改善。
- 炎症マーカー低下(IL-6、CRPなど):3件。
- 脳卒中による死亡リスクの低下:1件。
【リスクあり(約6%の分析)】
- 心血管疾患死亡リスクの上昇:1件、
- 前立腺がんリスクの小幅上昇:1件、
- 2型糖尿病リスクのやや上昇(RR ≈1.07):1件。
【中立~効果なし(残り74%)】
- 総コレステロール、肥満度、肝臓機能、糖代謝、乳がん・大腸がんなどに対して「有意差なし」という結果が多かった。
◎観察研究(コホート) vs 介入研究(RCT)の違い
○介入(ランダム化試験)では、
血圧・血管機能・炎症などに対して
ポジティブな結果が目立つ一方、悪影響は報告されず。
○コホート研究(長期観察)では、
上述のリスク(心血管死亡・前立腺がん・糖尿病)
が示されているが、リスク上昇の効果量は小さく、
バイアスの可能性も指摘されています。
○要するに、
「短期的な生理学的なメリットはあるが、
長期的なアウトカム(疾患や死亡)では
リスクが混在していて完結していない」という印象です。
◎ メカニズムの考察
- **ミネラル(カリウム)や抗酸化物質(リコピンなど)**の効果が、血圧・血管機能改善につながる可能性。
- 果物由来のポリフェノールは抗炎症・血管拡張的に働くことが知られており、その働きが一部の効果に寄与している可能性があります。
◎ガイドラインへの影響
現時点では、
「100%果汁飲料を一律に健康ガイドラインから除外すべき」
というエビデンスは不十分。
むしろ「適度ならメリットも期待できる」
可能性が示唆されています。
ただし、
添加糖のない100%ジュースで、
量や対象者によって注意が必要、
というスタンスです。
■ 野菜ジュースの注意点(盲点も多い)
① 食物繊維がほぼゼロ
ジュース製造過程で繊維質(不溶性食物繊維)は除去されてしまう。
腸内環境・血糖値安定・便通改善などの効果は期待できない。
② 糖分が多いものもある
市販の「野菜・果実ミックス系」は、1本に糖質10〜20g入っていることも。
無意識に“ジュースで血糖値スパイク”になっているかも…。
▶ 果汁と糖尿病リスクの大規模研究(Nature, 2023)
③ 添加物のリスク
- 保存料・酸化防止剤・香料などが使われている商品もあり、毎日飲み続けることによる健康リスクは否定できません。
■ 生野菜と比べてみた!


■ こんな人には“程よく”おすすめ!
- 朝食で野菜が摂れない人
- 外食が多くてビタミン不足が気になる人
- 食事のサポートとして利用したい人
■ こんな飲み方はNG!
- 「野菜は飲めばOK」と思って野菜を食べなくなる
- 1日何本も飲む
- 果汁たっぷりの“野菜果実ミックス”を常飲する
■ 失敗しない野菜ジュースの選び方
- 「野菜100%」「無添加」「果汁なし」「砂糖・食塩不使用」を選ぶ
- 1日200mlまでが目安
- 食事に“プラスする形”で取り入れる
■ まとめ
野菜ジュースは「健康の保険」にはなるけれど、「本命」にはなれない。
野菜ジュースは便利ですが、
それだけで健康になれるわけではありません。
「野菜の補助」
「外食中心の生活での栄養サポート」
としてちょい足し感覚で賢く使うのがコツです!
以上、最後までお読みいただきありがとうございます!
