― 炭水化物と体重変動の科学的メカニズム ―
はじめに
ダイエットを始めた直後に体重が
一気に落ちた経験はありませんか?
しかしその多くは「脂肪」ではなく「水分」です。
特に炭水化物を減らした場合、体内の水分量は
大きく変動します。
さらに、炭水化物を一時的に増やしたあとに
体重や体脂肪率が急に落ちる現象もあります。
今回はそのメカニズムを科学的視点で解説します。
目次
- ■炭水化物と体内水分の関係
- ■「水を1.5L飲めば安心」は本当か?
- ■炭水化物を増やしたら体重が落ちた?その正体
- ◎グリコーゲン再充填による代謝回復
- ◎ホメオスタシス(恒常性維持機構)
- ◎具体例で考える
- ■ホメオスタシスは敵ではない
- ■まとめ
■炭水化物と体内水分の関係
炭水化物は体内で「グリコーゲン」として筋肉や
肝臓に蓄えられます。
重要なのはここです。
グリコーゲン1gあたり約3gの水分を抱え込むと報告されています。
例えば、
・筋肉+肝臓に約400〜500gのグリコーゲンが蓄えられている
・これに伴う水分は約1.2〜1.5kg
つまり、炭水化物を減らすと、
グリコーゲン減少+水分減少で1〜2kg体重が落ちることは珍しくありません。
これは脂肪減少ではありません。
実際、低炭水化物ダイエット初期に急激な体重減少が起きる理由は、水分減少が主因であることが多くの研究で示されています。
■「水を1.5L飲めば安心」は本当か?
よく「1日1.5〜2Lの水を飲みましょう」
と言われます。
仮に炭水化物摂取量を300g→100gに減らしたとします。
減少した200gの炭水化物は、
理論上 約600gの水分保持を失う可能性があります。
つまり、
・水をしっかり飲んでいる
・でも体水分量は減っている
ということが起こります。
その結果、
・体脂肪率が一時的に上がる
・筋肉量が減ったように表示される
・体がだるくなる
といった現象が生じる可能性が。。。
■炭水化物を増やしたら体重が落ちた?その正体
逆に、炭水化物を減らしていた人が一時的に摂取量を増やした場合、翌日〜翌々日に体重や体脂肪率がストンと落ちることがあります。
これは主に以下の要因が考えられます。
◎グリコーゲン再充填による代謝回復
長期の低炭水化物状態では、
・レプチン低下
・甲状腺ホルモン(T3)低下
・基礎代謝低下
が起こる可能性があります。
一時的な炭水化物増加は、
これらを回復させ、代謝が一時的に活性化することがあります。
◎ホメオスタシス(恒常性維持機構)
ホメオスタシスとは、
身体が一定の内部環境を保とうとする働きです。
エネルギー不足が続くと、体は「省エネモード」に入ります。
しかし炭水化物を補給すると、
・体は飢餓状態ではないと判断
・ストレスホルモン(コルチゾール)低下
・体内水分バランス正常化
が起こる場合があります。
結果として、
・むくみが抜ける
・排便が改善する
・体脂肪率表示が改善する
といった変化が起こることがあります。
これは「チートデイ効果」と似た現象です。
◎具体例で考える
例えば、
体重70kg
体脂肪率20%
炭水化物300g摂取
の人が、炭水化物を100gに減らしたとします。
理論上、
・グリコーゲン200g減少
・水分約600g減少
これだけで体重は約0.8kg減少します。
脂肪はほとんど減っていない可能性があります。
その後、炭水化物を適度に戻すことで、
・代謝が回復
・便通改善
・水分バランス正常化
結果として、
停滞していた脂肪減少が再び進むことがあります。
ダイエットで大切な視点
ダイエット中に起こる体重変動の多くは、
脂肪
水分
グリコーゲン
腸内容物
の変化です。
短期の数値に一喜一憂する必要はありません。
むしろ重要なのは、
・長期的視点
・体調
・パフォーマンス
・睡眠の質
です。
■ホメオスタシスは敵ではない
ホメオスタシスは「停滞の原因」ではありません。
身体を守るための正常な反応です。
この仕組みを理解すれば、
・極端な糖質制限を避ける
・計画的に炭水化物を調整する
・体重の一時的増減に振り回されない
といった賢い選択ができるようになります。
■まとめ
●ダイエット初期の体重推移は、水分の影響が大きい。
●炭水化物と水分は密接に関係している。
●一時的な炭水化物増加で体重が落ちることもある。
それはホメオスタシスによる代謝調整の可能性がある。
●焦らず、仕組みを理解し、身体を味方にする。
これが本質的なダイエット戦略です!