「筋肉への意識」はダメ!疲れず動く!パフォーマンスアップ思考!

ジムでトレーニングをしている時、
「今、大胸筋に効いているか?」
「脚の表を使えているか?」
と、筋肉の動き一つひとつに意識を集中させていませんか?

確かに、筋肉をつけることは重要です。
しかし、世界トップレベルのスポーツ現場や、
最新の運動科学の世界では、
その「常識」が大きく変わりつつあります。

もしあなたが、
「もっとパフォーマンスを上げたい」
「日常生活で疲れにくい体が欲しい」
「階段の上り下りを楽にしたい」と願うなら、
「〇〇筋を意識する」のは、
今すぐやめた方が良いかもしれません。

今日は、プロの視点から、
あなたの体の可能性を最大限に引き出す
「脳の使い方」について、
科学的なエビデンスを交えて解説します!!

※㊟トレーニングの目的が
ボディメイクであれば筋肉への意識は効果的です。


■「筋肉」ではなく「動き」に集中すべき理由

私たちプロのトレーナーの間では、
ここ20年でトレーニングに対する考え方が大きくシフトしました。

◎昔の常識:筋肉主導(Muscle-centric)   
「〇〇筋を鍛えるために、この動きをする」という考え方。

今の常識:動作主導(Movement-centric)
⇨「〇〇という動作を達成した結果、必要な筋肉が使われる」という考え方。

まるで真逆の考え方ですが
もちろん根拠となるデータがあります。
恥ずかしながら話も数年前までは
「〇〇筋への意識を集中させて」
なんて指導をしていました(>_<)
すいません(>_<)


■2つの意識「内部焦点」と「外部焦点」

運動心理学の分野では、意識の向け方を大きく2つに分けます。

◎内部焦点(Internal Focus)

「膝を伸ばす」「お尻に力を入れる」など、
自分の体の内側(筋肉や関節)に意識を向けること。

◎外部焦点(External Focus)
「床を強く押す」
「天井に向かって伸び上がる」など、
体の外側の環境や動作の結果に意識を向けること。
※ポイントは固定されている方に意識を向ける事。
例)スクワット=床を押す
腕立て伏せ=床を押す
ベンチプレス=ベンチを背中で押す
等など

結論から言えば、
パフォーマンスを上げ、
効率的に動くために必要なのは「外部焦点」です。

脳は、個別の筋肉をコントロールするよりも、
「目的を達成する」という指令の方が理解しやすいのです。
車の運転で例えるなら、
エンジンのピストンの動き(内部)を気にしながら運転するより、
道路状況(外部)を見て運転する方がスムーズなのと同じです。


■ 科学が証明する「意識」の効果【エビデンス解説】

「気持ちの問題でしょ?」
と思われるかもしれませんが、
これは明確な科学的根拠(エビデンス)に基づいた理論です!
※実際気持ちの問題も重要なんですけどね(^^;

この分野の世界的権威である
ガブリエル・ウルフ(Gabriele Wulf)博士らの研究を中心に、
重要なエビデンスを3つご紹介します。

◎エビデンス①:学習スピードと安定性が段違い

スキーのシミュレーターや
バランスボードを使った実験で、驚くべき結果が出ました。

【研究1】運動学習の効率性

「足の動き(内部)」に集中するよう指示されたグループよりも、「乗っている板の動き(外部)」に集中するよう指示されたグループの方が、運動の習得が速く、バランスの安定性も明らかに高かった。出典:Wulf, G., Höß, M., & Prinz, W. (1998). Instructions for motor learning: Differential effects of internal versus external focus of attention.


つまり、
「どう動くか」を細かく考えるより、
「どうなりたいか(結果)」をイメージした方が、
脳は早く学習するのです。

Instructions for motor learning: differential effects of internal versus external focus of attention – PubMed The effects of different types of instructions on complex mot pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

◎エビデンス②:筋肉を意識すると「燃費」が悪くなる

「〇〇筋を使おう」と意識しすぎると、実は体が疲れやすくなることが分かっています。

【研究2】筋活動の効率性(省エネ効果)

筋電図(EMG)を用いた研究では、筋肉に意識を向ける(内部焦点)と、ターゲット以外の余計な筋肉まで力んでしまうことが示された。逆に、動作の目的に意識を向ける(外部焦点)と、同じパワーを出していても無駄な筋活動が減少し、効率的に動けることが証明された。出典:Marchant, D. C., et al. (2009). Attentional focusing instructions influence force production and muscular activity during isokinetic elbow flexions.

Marchant, D. C., et al. (2009). Attentional focusing instructions influence force production and muscular activity during isokinetic elbow flexions.

筋肉を意識しすぎると、
ブレーキとアクセルを同時に踏んでいるような状態になり、
エネルギーを浪費します。
「正しい動き」に集中すると
楽に動く事ができるはずです!
※ここかなり実感あるはず!

◎エビデンス③:初心者からプロまで有効

この理論は、
特定のスポーツだけでなく、
ほぼすべての運動に当てはまります。

【研究3】15年間の研究レビュー

15年間にわたる膨大な研究を精査した結果、外部焦点は、ジャンプ力、投球の正確性、水泳のスピード、バランス能力など、ほぼすべての運動パフォーマンスを向上させると結論付けられた。これは初心者だけでなく、トップアスリートやリハビリ中の患者にも共通して有効である。出典:Wulf, G. (2013). Attentional focus and motor learning: A review of 15 years.

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/1750984X.2012.723728

◎なぜそうなるのか?「制約アクション仮説」

これらの現象は
「制約アクション仮説」で説明されます。
※制約動作仮説(Constrained Action Hypothesis)

私たちが「筋肉」を意識しすぎると、
脳が体の自然な自動制御システムに干渉し、
動きを「監視・管理」してしまいます。
その結果、動きがぎこちなくなり、
パフォーマンスが低下します。

逆に「動きの目的」に集中すると、
脳は細かい筋肉の調整を無意識の
自動システムに任せることができるため、
スムーズで力強い連動が生まれます。


■明日から使える実践テクニック

では、具体的にどうすれば良いのでしょうか?
ジムでのスクワットと、日常生活を例に見てみましょう。

スクワットの場合

◎ 内部焦点(やりがち)
「大腿四頭筋(ももの前)に効かせる」
「お尻の筋肉を締める」
⇨ 膝周りに負担がかかりやすく、動作が硬くなる。

◎ 外部焦点(おすすめ)
 
「足の裏全体で、床を真下に踏み抜く」
⇨ 股関節が自然に使われ、全身がバネのように連動する。

日常生活(階段・歩行)の場合

◎内部焦点
 
「太ももを上げて歩く」「膝を伸ばして進む」
⇨ すぐに足が疲れる。

◎ 外部焦点
「頭が天井から吊るされている感覚で進む」
⇨ 楽に推進力が生まれ、疲れにくい。


まとめ:「動き」を変えれば、体は変わる

筋肉は、あなたの体を動かす
ための大切な「エンジン」です。
しかし、エンジンの部品ばかり見ていては、
スムーズな運転はできません。

重要なのは、「どの筋肉を使うか」ではなく、
「どう動くか(どういう結果を出すか)」です。

意識を体の「外」に向けるだけで、
脳は勝手に最適な体の使い方を導き出してくれます。
その結果として、
必要な筋肉が適切に鍛えられ、
日常生活でも疲れにくい、
機能的な体が手に入るのです。

ぜひ明日から、トレーニング中も、
通勤の歩行中も、「筋肉」への執着を少し手放して、
「動きのイメージ」に集中してみてください。
きっと、体の軽さや動きやすさの違いに驚くはずです!

正しい動きが出来れば
結果的に着くべき部位に筋肉は着く!

最後までお読みいただきありがとうございました!

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