【科学的根拠】球速アップに本当に必要な筋肉とは?データが明かす投手の身体的特徴

「もっと速い球を投げたい!」
投手であれば誰もが一度は抱く願いですよね。
しかし、闇雲に筋トレをしても、
それが球速に直結するとは限りません。

今回は、2つの最新研究データを基に、
「球速が速い投手の身体にはどんな特徴があるのか」
を科学的に紐解いていきます。

目次

  1. ■球速と最も関係が深いのは「太もも」と「除脂肪体重」
  2. ポイントは「下半身の土台」と「質の高い体重」
  3. ■140km/h超えの投手は「背中」と「お尻」が違う!
  4. 高速群で圧倒的に発達していた部位
  5. ■まとめ:効率的なトレーニングのために

■球速と最も関係が深いのは「太もも」と「除脂肪体重」

まずご紹介するのは、
大学生投手25名を対象とした調査データ(勝亦, 2006)です。
この研究では、MRIを使って全身の筋肉量を測定し、
球速との相関を調べています。

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ポイントは「下半身の土台」と「質の高い体重」

大腿部(太もも)の筋量がカギ軸足

⇨軸足(相関係数0.555)および非軸足(0.504)ともに、

球速と強い相関が見られました。

除脂肪体重(LBM)の重要性

⇨単なる体重ではなく、脂肪を除いた

「筋肉や骨の重さ」が球速アップに寄与しています。

末端より近位の筋肉

⇨腕についても、手首に近い「前腕」より、

肩に近い「上腕」の筋量の方が球速との関連が深いことがわかっています。

    ※更に言えば、
    除脂肪指数が最も重要です。
    計算式は「除脂肪体重÷身長(ⅿ)÷身長(ⅿ)」です。
    例)⇩
    除脂肪体重55㎏ 身長175㎝
    55÷1.75÷1.75=17.9


    ■140km/h超えの投手は「背中」と「お尻」が違う!

    次に見るのは、140km/hを超える「高速群」と、

    125km/h前後の「低速群」を比較したデータ(長谷川, 2012)です。

    画像

    高速群で圧倒的に発達していた部位

    超音波診断装置で筋肉の厚みを比較したところ、

    特に以下の3カ所で大きな差が出ました。

    脊柱起立筋(背筋)

    体幹を支え、回転のパワーを生み出す背中の筋肉です。

    大殿筋(お尻)

    下半身のパワーを上半身へ伝えるためのエンジンとなる部位です。

    腓腹筋(ふくらはぎ)

    地面を強く蹴り出すために必要な部位です。

      この結果から、速い球を投げるためには
      「背中からお尻にかけての身体の後面のライン」
      がいかに発達しているかが重要であると言えます。

      ■まとめ:効率的なトレーニングのために

      データが示す通り、
      球速アップの近道は「腕の力」に頼ることではありません。
      ※上腕も必要ですが。

      • 太ももとお尻の筋量を増やし、強力な下半身を作る
      • 背中の筋肉(脊柱起立筋)を鍛え、体幹の出力を高める
      • 全身の除脂肪体重を増やし、身体の出力を底上げする

      これらのポイントを押さえたトレーニングが、
      あなたのパフォーマンスを変えるかもしれません。