仕事終わりや休日、朝に、
「身体が重い」
「頭が働かない」
「休んだはずなのに疲れが抜けない」
と感じる事、ありません?
ビジネスマンの疲労は、
スポーツ後のような強い筋損傷が中心ではなく、
長時間の座位姿勢、
同じ姿勢による首・腰の不快感、
集中し続けることによる脳や精神の疲れ、
仕事の緊張が抜けない状態
が重なって起こりやすいのが特徴です。
そのため、回復法も、
寝る事や休む事だけでは不十分なケースが多いです。
そこで疲労回復に適していると言われる事が多い、
★ストレッチ
★マッサージ
★お風呂
★アクティブレスト(軽い運動)
★着衣ウェア
★サウナ
で特に効果のあるものはどれなのかを
科学的根拠の強い順に整理していきます!
■大前提抑えておいて欲しい事
今回は、上記の通り6種類の疲労ケアの中から
ビジネスマン向けに効果のあるものを
上位3つご紹介するというものですが、
そもそも疲労にも、
肉体疲労、神経疲労、精神疲労、糖質疲労
など実はいくつか種類があり原因も異なります。
本来はカウンセリングを実施し
どの疲労や対処法が適しているのかを探していきます。
つまり、疲労の種類や原因によって
適しているケアの方法は異なるという事です。
今回はあくまでの
『上記6つの中から選ぶなら』
という意味の記事です。
■第1位:軽運動・アクティブレスト
◎座りっぱなしの身体と、落ちた活力感を立て直す
ビジネスマンの疲労対策で最も優先したいのは、
短時間でも身体を動かすことです。
2024年に発表された研究では、
日常生活の中で3分間の座位中断を入れることで、
気分の前向きさやエネルギー感に好ましい変化が見られました。
長時間座り続けることが当たり前になった現代では、
「少し動く」こと自体が疲労対策になります。
※長時間の高強度運動は逆に
ストレスホルモン(コルチゾール)の分泌を
促してしまうため避けましょう。
さらに、2025年のオフィスワーカー研究では、
31名を対象に、週2回・1回15分の
アクティブブレイクを8週間実施したところ、
首・腰・全身の不快感が有意に減少しました。
平均実施率は82%で、
特に継続率が高い人ほど不快感の改善が
大きかったことも報告されています。
Causal effects of sedentary breaks on affective and cognitive parameters in daily life: a within-person encouragement design – npj Mental Health ResearchUnderstanding the complex relationship between sedentary breawww.nature.com
デスクワークでは、
- 首や腰まわりが固まりやすい
- 下半身の循環が滞りやすい
- 集中し続けることで気分や活力が落ちやすい
という問題が起こります。
立ち上がる、歩く、肩を回す、軽くスクワットをする。
その程度の動きでも、
“疲れをため続ける流れ”を一度断ち切ることができます。
【取り入れ方の例】
- 60〜90分に1回、3分だけ歩く
- 昼休みに5〜10分外を歩く
- オンライン会議の合間に首・胸・股関節を動かす
- 仕事終わりに20分だけ散歩する
- 早朝に日の光を浴びながら15分散歩
- 休日に20分間のジョギングorウォーキング
■第2位:サウナ・温熱習慣
仕事疲れの中には、身体のだるさだけでなく、
ずっと神経が張っている、
帰宅後も頭が切り替わらない、寝つきが悪い
といった疲れもあります。
こうした緊張型の疲れに対して、
サウナや温熱習慣は相性の良い選択肢です。
2024年のスウェーデンのMONICA研究では、
25〜74歳の一般成人を対象に調べた結果、
サウナ利用者は非利用者に比べて、
睡眠満足度、幸福感、エネルギー感が高く、
自己申告の痛みや高血圧診断が少ない傾向を示しました。
※サウナ効果は月に1~4回で頭打ち
なお、これは観察研究なので、
サウナが直接の原因だと断定はできませんが、
回復習慣としての関連性は興味深い結果です。
Sauna bathing in northern Sweden: results from the MONICA study 2022 – PubMedFrequent sauna bathing has been associated with a reduced rispubmed.ncbi.nlm.nih.gov
また、2018年のシステマティックレビューでは、
定期的なドライサウナには幅広い健康上の可能性が示されている一方、
最適な頻度や対象、明確な因果関係については
更に質の高い研究が必要とされています。
◎なぜ向いているのか
サウナや温浴は、
- 仕事後の切り替えを作りやすい
- 筋緊張を和らげやすい
- “何もしない時間”を強制的に確保できる
- 睡眠前のリラックス習慣につながりやすい
という点が強みです。
つまり、ビジネスマンにとっては、
疲れを取るというより、
疲労を翌日に持ち越しにくい状態を作る手段
として使いやすいと言えます。
取り入れ方の例
- 仕事終わりに週1〜2回のサウナ
- 夜は熱すぎない入浴で身体をゆるめる
- 入浴後はスマホを見続けず、睡眠までの流れを整える
■第3位:着圧ソックス・コンプレッション
直接疲労とは異なるかもですが、ビジネスマンの中には、
「夕方になると脚が重い」
「一日座っているだけなのに足がだるい」
という足の疲れ特化型の人も多いはずです。
こうした下肢の不快感に対しては、
着圧ソックスやコンプレッションウェアが実用的です。
2022年のランダム化クロスオーバー試験では、
長時間の立位や座位で脚の不快感やむくみが出る人に対し、
医療用に近い膝下着圧ストッキングを着用すると、
下腿容積が有意に減少し、脚の不快感も改善しました。
特に18〜21mmHgの着圧では、
下腿容積の減少が大きかったと報告されています。
スウェーデン北部におけるサウナ入浴:MONICA研究2022の結果
また、2020年のレビューでも、
職業性の下肢浮腫に対して、
着圧ストッキングはむくみの軽減に有効と整理されています。
◎なぜ向いているのか
長時間の座位や立位では、
重力の影響で血液や水分が下肢にたまりやすくなります。
その結果、
- 脚のむくみ
- ふくらはぎの重さ
- 夕方の疲労感
につながります。
着圧ソックスは、
脚の循環を物理的にサポートする方法です。
集中力や全身疲労を直接改善する万能策ではありませんが、
「脚の疲れが仕事終わりのだるさにつながるタイプ」です。
■番外編:呼吸法で睡眠の質が向上
◎就寝前のゆっくりした呼吸で、睡眠の質が改善した研究
不眠傾向の成人を対象に、
就寝前20分のゆっくりしたペース呼吸を行った研究で下記の事が分かりました。
- 寝つくまでの時間が短縮
- 夜間覚醒の回数が減少
- 睡眠中に目が覚めている時間が減少
- 睡眠効率が改善
つまり、
呼吸法が睡眠の質を整える可能性は示されています。
Efficacy of paced breathing for insomnia: enhances vagal activity and improves sleep quality – PubMedFourteen self-reported insomniacs (SRI) and 14 good sleeperspubmed.ncbi.nlm.nih.gov
※別の研究では、
前夜の睡眠の質が低いほど、
翌日の疲労感が強くなることが報告されています。
したがって、
「呼吸法 → 睡眠の質改善 → 翌朝の疲労感軽減につながる可能性」
は十分に考えられます。
直接的な関与では無く間接的関与ですね。
◎呼吸エクササイズで“疲労そのもの”が低下した研究はある
閉塞性睡眠時無呼吸症候群の患者に対し、
朝夕10〜15分の呼吸エクササイズを4〜8週間実施した研究では、
疲労スコアと日中の眠気が低下しました。
これは「翌朝のだるさ」にかなり近い話ではありますが、
対象は健康な一般成人ではなく、
睡眠障害を持つ患者ですので
参考までに!
The effect of breathing exercise on daytime sleepiness and fatigue among patients with obstructive sleep apnea syndrome – PubMedThis study was conducted with randomized controlled and experpubmed.ncbi.nlm.nih.gov
◎横隔膜呼吸で睡眠と疲労が改善したRCTもある
2025年のランダム化比較試験では、
全身性強皮症の女性に対し、
12週間・1日2回・各20分の横隔膜呼吸を行ったところ、
- 睡眠の質
- 疲労感
- ストレス関連指標
が改善しました。
これも疾患を持つ人が対象なので
一般化には注意が必要ですが、
呼吸法が睡眠と疲労の両方に働く可能性を示すデータです。
◎一言で要約すると。。。
就寝前のゆっくりした呼吸法は、
睡眠の質を整える可能性があり、
結果として翌朝の重だるさや
疲労感の軽減につながることが期待される!
■まとめ
◎ビジネスマンの疲労回復は「脳・姿勢・脚」で考える
働く人の疲労は、単なる体力不足ではありません。
座りっぱなし
考えっぱなし
緊張しっぱなし
が重なることで蓄積します。
その対策として優先したいのが⇩
1位:軽運動・アクティブブレイク
身体のこわばりと活力低下を立て直す。
2位:サウナ・温熱習慣
仕事後の緊張を切り替え、休息に入りやすくする。
3位:着圧ソックス
脚のむくみや重だるさを抑える。
ビジネスマンの疲労回復では、
「週末にまとめて休む」よりも、
平日の中で疲れをため切らない仕組みを作ることが重要です。
少し動く。
温めて切り替える。
脚の負担を減らす。
この3つを押さえるだけでも、
仕事後の残り方はかなり変わってきます。
参考文献・論文リンク
- Giurgiu et al., 2024. Causal effects of sedentary breaks on affective and cognitive parameters in daily life
- Rabal-Pelay et al., 2025. Effect of active breaks on stress and musculoskeletal discomfort during work in office workers
- Engström et al., 2024. Sauna bathing in northern Sweden: results from the MONICA study 2022
- Hussain & Cohen, 2018. Clinical Effects of Regular Dry Sauna Bathing: A Systematic Review
- Hecko et al., 2022. Improvement of occupational leg edema and discomforts (RCT)
- Guedes et al., 2020. Occupational leg edema—use of compression stockings
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特にビジネスマンの疲労は、スポーツ後のような強い筋肉疲労だけではなく、
長時間の座り姿勢、首や腰の不快感、集中し続けることによる脳の疲れ、仕事の緊張が抜けない状態などが重なって起こりやすいのが特徴です。
そのため、疲労回復は「寝る」「休む」だけでは不十分な場合、軽い運動やアクティブブレイクです。立ち上がる、歩く、肩を回す、軽くスクワットをするなど、数分の動きでも座りっぱなしによる身体のこわばりや活力低下をリセットするきっかけになります。記事では、3分間の座位中断や、週2回15分のアクティブブレイクによって気分や身体の不快感に良い変化が見られた研究も紹介されています。
次に有効な選択肢として挙げられているのが、サウナや温熱習慣です。これは単に身体を温めるだけでなく、仕事後の緊張を切り替え、睡眠前のリラックス習慣につなげやすい点が強みです。また、脚のむくみや重だるさが強い人には、着圧ソックスも実用的な対策になります。
結論として、ビジネスマンの疲労回復は「脳・姿勢・脚」の3方向から考えることが大切です。週末にまとめて休むよりも、平日の中で少し動く、温めて切り替える、脚の負担を減らす。この小さな習慣の積み重ねが、翌日に疲れを持ち越さない身体づくりにつながります。